日本国内で実際にWebサイトの高速化に成功し、売上やコンバージョンが向上した代表的な事例を整理してご紹介します。
各事例には、高速化施策の内容、具体的な成果、出典情報を記載しています。
① 株式会社やずや(健康食品通販)
【施策内容】
- 大規模なプロモーションキャンペーンに備え、サーバー環境およびデータベースの抜本的な最適化を実施。
- ランディングページ(LP)からカート画面への遷移処理の高速化を行った。
【具体的な効果】
- LPからカートへの表示速度が約2秒から約0.03秒へ大幅短縮(約60倍高速化)。
- コンバージョン率(CVR)が147%向上し、プロモーションの売上が飛躍的に増加。
【出典】
- 株式会社ペンシルの公式導入事例(2021年)
- ペンシル公式サイト「やずや成功事例」
② GMOペパボ「SUZURI」(オリジナルグッズ通販)
【施策内容】
- ページの表示速度を約1秒以上短縮するため、画像最適化やサーバー環境の強化を行った。
【具体的な効果】
- 月間売上が300万円以上アップ。
- 年間売上ベースで数千万円の改善を実現。
【出典】
- アプリマーケティング研究所のインタビュー記事(2021年)
- アプリマーケティング研究所「SUZURI事例」
③ 島村楽器オンラインストア(楽器販売)
【施策内容】
- 表示速度改善のため、「Repro Booster」(ページ予測先読み技術)を導入。
- フロントエンドの表示を最適化し、サイト全体のレスポンスを高速化した。
【具体的な効果】
- 表示速度の向上に伴い、ECサイトの売上が約20倍に急成長。
- サイトに対するユーザーのクレームが解消され、満足度が大幅に向上。
【出典】
- ネット経済新聞の導入事例記事(2021年)
- ネット経済新聞「島村楽器EC事例」
④ ナノ・ユニバース(アパレル通販)
【施策内容】
- CDNサービス(Akamai)を導入し、サイトコンテンツ配信の高速化を実施。
- サイトの負荷分散と最適化によって安定した高速レスポンスを実現した。
【具体的な効果】
- 表示速度の改善によってユーザー体験が向上し、売上が明確に改善。
- トラフィック増加にも耐えられる安定したインフラを確立。
【出典】
- Akamai公式の導入事例(2021年)
- Akamai公式サイト「ナノ・ユニバース事例」
⑤ コメ兵(KOMEHYO ONLINE・リユース商品通販)
【施策内容】
- Repro Boosterの導入により、リンク先の事前予測読み込みを実施。
- ページ全体のフロントエンド最適化を実施。
【具体的な効果】
- モバイルのFirst Contentful Paint(FCP)が約30%改善。
- Largest Contentful Paint(LCP)が約11%改善し、顧客の離脱率が大幅低下。
【出典】
- Repro公式の導入事例レポート(2022年)
- Repro公式サイト「コメ兵導入事例」
⑥ 資生堂パーラー(食品・ギフト通販)
【施策内容】
- サイト表示速度改善により、LCP(Largest Contentful Paint)を1.1秒以下に短縮。
【具体的な効果】
- SEO評価向上による自然流入の増加が期待される。
- ユーザーエクスペリエンスの改善に貢献。
【出典】
- マーテックラボの調査レポート(2024年)
- マーテックラボ「日本のECサイトスピード調査」
⑦ SHOPLIST.com(ファッション通販)
【施策内容】
- ページ表示速度を改善し、特にLCPを1.1秒以下に短縮。
【具体的な効果】
- ユーザー離脱の低減とSEO評価の向上が見込まれる。
- 顧客の再訪率が向上する可能性。
【出典】
- マーテックラボの調査レポート(2024年)
- マーテックラボ「日本のECサイトスピード調査」
日本国内事例に共通するポイント
日本企業の高速化成功事例を見ていくと、以下の共通する重要なポイントが浮かび上がります。
- 画像とコンテンツの最適化:
多くの事例で画像サイズの軽量化、事前読み込み(プリロード)技術が積極的に活用されている。 - CDN導入やサーバー強化:
負荷分散やデータ配信の高速化を目的としてCDNサービスやインフラ改善を行うことで、表示速度が劇的に改善している。 - 明確な効果測定と数値化:
コンバージョン率、売上変化、直帰率などを明確なKPIとして設定し、施策前後の効果を明確に数値で評価している。
結論とまとめ
日本国内においてもWebサイトの表示速度改善は単なるサイトの使い勝手向上にとどまらず、明確に売上やビジネス成果に直結することが実証されています。
また、世界的な動向と同様、日本国内でもモバイル表示の高速化が重要であり、モバイルユーザーを重視した施策が特に効果を上げています。
こうした事例を踏まえると、Webサイトの表示速度改善は、短期的なコストではなく、長期的な収益改善につながる重要な「投資」であると認識すべきでしょう。企業が将来的な競争力を維持するためにも、高速化への積極的な取り組みが必須であると言えます。