【事例】逆転後では遅い? 主婦層に広がるスマホ利用

そもそも主婦層にPCの存在が希薄化しはじめていた
弊社のユーザーのほとんどが、20代から30代の女性が中心です。実は2011年の時点でも調査したのですが、フューチャーフォンの時代ですら、すでにPCを使わない人が増えていました。スマホ以前に、生活シーンの中においてPCの存在が希薄になりはじめていたわけです。そしてそこにスマホの普及がはじまりました。
現在、花王サイトへの訪問の約4割がスマホユーザーです。これが2014年の半ばには逆転するだろうという予測を立てています。一部の育児系コンテンツでは、スマホユーザーが60%を超えています。新生児のお母さんはゆっくりPCで閲覧している余裕がないからではないかと予想しています。
間違いなく2015年には完全に逆転しているはずです。そうなると、いまはPCユーザーが多いからPCのデザインを行ってきましたが、逆転するとスマホやタブレットを中心にしたデザインに変えていかないといけないはずです。つまりタイミングなんです。逆転してからでは、遅いのではないだろうか? そういう考えからスマホ対応を進めています。
世の中の主流がOne Webを選択しはじめている
スマホおよびタブレット着実に家庭内に入ってくると予想しています。本来だったら同時にすべてやりたいところですが、第一段階としてスマホ対応としています。
おそらくスマホ対応が一段落したら、間違いなく、タブレット対応のニーズが上昇してくるはずです。マウスでのクリックから、タッチ&スワイプというユーザビリティが根本的に異なるわけですから、タブレットで見るデザインがPCと同じなのか、それでいいのかという現場の声が大きくなるはずです。
マルチスクリーンの時代にはOne Web。つまりどのスクリーンでもURLが同じであることが大事だと思っています。Googleなど、世の中を支配しているようなサービスがOne Webを選択してきている。そうすると、その周辺のサイトもOne Webであるべきだと考えています。
つまり、花王だけがイレギュラーであるというわけにはいかない。世の中の流れがOne Webという感覚になるのであれば、それは合わせる必要があると考えています。
次は、PCサイト自体をモバイルファーストにしていきたい
マルチデバイス対応というのはいくつか方法があると思っています。例えば、注目されているレスポンシブWebデザインというのもあります。花王の場合、すべて合わせると80くらいのWebサイトがあり、それに絡んだ制作会社が存在しています。実はその制作会社さんごとにスキルが違いがあり、また同時に、花王に合わせた共通の統一的なユーザビリティを作っていく必要があります。
かし、デバイスは常に新しいデバイスが追加され、OSのバージョンアップは続きます。そういう部分まで社内で独自に対応していくのはなかなか厳しいと思っていました。そういう状況で、注目したのが「モビファイ」という変換サービスでした。One Web以外にも、パフォーマンス、拡張性、ガバナンスなど、いろいろ検討した結果、このツールならば、モバイル対応は、より早く実現できるのではないかと判断しました。実際に数サイトを対応したところですが、デザインやスピードには問題を感じていません。
もっといいモバイルサイトやユーザービリティなど改良点はあると思いますが、一番の問題は、現在のPCサイトが、モバイルファーストにはなっていないということです。つまり元が古すぎて、サイトをモバイルに最適化してもコンテンツが適していないなどの問題です。
今後はサイト自体をモバイルファースト&コンテンツファーストで設計して、HTML5でコーディングしたサイトを各デバイスで最適化してみる、という状態が理想のイメージです。そこまで行かないと、本来のお客さまに対する「最適化」という対応にはならないと思っています。
※「モビファイ」はクラウドで実現するレスポンシブWEBデザインであり、Googleのマルチスクリーンベンダーとして認定されています。
■実例紹介 花王 株式会社様 『コーポレートサイト』
