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【連載 第1回】「モバイルフレンドリー」で結局何が変わったのか? Googleアルゴリズム変更のその後

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「モバイルゲドン」と呼ばれるGoogleのアルゴリズムの変更はネット業界を震撼させました。付け焼刃の対策でなく安定したモバイルサイトを構築するために何をすべきか。これから数回にわたり解説します。(この記事はITmedia マーケティングで連載した記事となります)

2015年4月21日に始まったGoogleのアルゴリズムの変更は、検索結果の表示ランクにどのような影響を与えてきているのでしょうか? 開始から3カ月たった7月以降、ようやくその結果が明確になってきました。

今回の「モバイルフレンドリーアップデート」といわれるGoogleのアルゴリズム変更とは何かを、もう一度整理してみましょう。

モバイルゲドンとは何だったのか

Googleは2014年11月17日に、スマートフォンでの検索において「モバイルフレンドリー(mobile friendly)ラベル」を付けると発表し、日本では同年12月8日に「スマホ対応」という表示を開始しました。その後、2015年2月26日に、検索結果順位表示のアルゴリズムの変更を2015年4月21日に行うことを発表。検索結果として優先的に表示するべきサイトの条件にモバイルフレンドリーラベルが付いていることを加えたのです。これは裏を返せば、モバイルフレンドリーラベルの付いていないサイトは検索結果ページにおいて表示順位が下がることを意味します。

「この変更は、重大なインパクトになるだろう」とGoogleは述べています。実際、このアナウンスにより、世界各国のネット業界はプチパニック状態に陥りました。今回のGoogleの決定をそのインパクトの大きさから新約聖書に出てくる「アルマゲドン(Armageddon:最終戦争)」になぞらえて「モバイルゲドン(Mobilegeddon)」と呼ぶ向きさえあります。

そして、これまでモバイル対応に無頓着だった関係者も、ようやく重い腰を上げ始めました。アルゴリズム変更を目前に控えた2015年3~4月にかけては、関連する各社で多くのセミナーが開催され、メディアでも特集記事が組まれました。

Googleのアルゴリズム変更から3カ月たった現在、騒動は少し落ち着いてしまった感があります。その理由は、変更による結果が思ったほどはっきりと表れていないからです。

しかし、ようやく信頼できる情報筋からのリポートが幾つか出始めました。

米Adobe Systemsの「Adobe Digital Index」によると、同社が独自に5000のサイトを調査した結果、4月21日のアルゴリズム変更後2カ月間で、モバイルフレンドリーでないWebサイトのトラフィック量は2015年同期比で10%以上減少したのです。Adobeのアナリスト、タマラ・ギャフニー氏は言います。「モバイルゲドンの恐怖が現実となった」と。

もはや、ちゅうちょしている余裕はありません。Webサイト運営者は、できるだけ早く自社サイトが検索結果にしっかりと反映されるよう、改修を行わなければなりません。
01出典:Adobe Systems「Adobe Digital Index」(http://blogs.adobe.com/japan-conversations/adi-mobilegeddon/)
 
またAdobeは、今回のGoogleのアルゴリズムのアップデートがGoogleの売り上げにも貢献したと分析しています。昨年同期に比べ、オーガニック検索によるトラフィックが減少しています。この減少をカバーするために、顧客はより多くアドワーズ広告に出稿しています。そのためCPC(クリック単価)は16%も上昇し、逆にCTR(クリック率)は9%ほど落ち込みました。

02出典:Adobe Systems「Adobe Digital Index」(http://blogs.adobe.com/japan-conversations/adi-mobilegeddon/)
 
デジタルマーケティングエージェンシーの米Stone Temple Consultingは、1万5000強の検索キーワードについて、トップ10のサイトのランキングがGoogleのアルゴリズム変更後1カ月間にどう推移したか、またそれぞれのサイトがモバイルフレンドリーであるか否かをチェックしました。その結果、非モバイルフレンドリーサイトの半数近くがランクを下げている事実が明らかになりました(下図参照)。

03出典:Stone Temple Consulting(https://www.stonetemple.com/mobilegeddon-may-have-been-bigger-than-we-thought/)
 

モバイル非対応の損失は膨大なものに

また、SEOコンサルティングの米Searchmetricsは、1万個のキーワードについて数十万サイトを比較・分析しました。結果、2つの動きが明らかになりました。

1. スマホ対応ラベルのページは、トップ30の多くを占める

検索結果ランキングトップ30におけるモバイルフレンドリーのページの割合は、アルゴリズム改変後に3%ほど増加し、71%まで上昇。逆にモバイルフレンドリーではないページの評価は、29%にまで下がっています。

04出典:Marcus Tober Contributor(http://www.fourthsource.com/search-marketing/seo/googles-mobile-friendly-update-analysing-impact-search-results-19436)
 

2. スマホ対応ラベルのページはランクが上がる

モバイルフレンドリーではないページのランクは平均で0.21ポイントほど下がり、モバイルフレンドリーページは、0.2ポイントほど上がりました。

同社のCTOを務めるマーカス・トゥーバー氏は「この程度の変化は、大きな変化だとは見られていないようです。しかし、われわれは1万個キーワードの分析をした結果、このアルゴリズムの変更は、実はかなり大きな変化になっていると判断しています」と述べています。トップ30だけではなく、その他のWebページの多さを考えた場合、全体におけるランク低下は、かなり大きなものと見て間違いないというのです。

05出典:Marcus Tober Contributor(http://www.fourthsource.com/search-marketing/seo/googles-mobile-friendly-update-analysing-impact-search-results-19436)
 

このアップデートはまだまだ続く?

一方で、モバイルフレンドリーの中身そのものもアップデートされていくかもしれません。Googleの過去の例を参考にしてみましょう。

2011年2月に始まった「パンダアップデート」と呼ばれるアルゴリズム変更は、良質なコンテンツサイトを評価し、そうでないサイトを排除しようというものでした。アップデートは、本稿執筆時までに29回も実行されています。また2012年4月に始まった被リンクの質を正そうとする「ペンギンアップデート」は6回実行され、まだまだ続くとされています。

そう考えると、今回のアップデートは、まだ始まったばかりです。今後は複数回のアップデートが起こることも予想されます。

そうだとすると次にどのような影響があるでしょうか? それらを考えながら、時代にふさわしいモバイルサイトを考えて行く必要があります。

Webの構造化やマルチスクリーンWebにも詳しいフォースの増井達巳氏は次のように言います。

「時代はモバイルにシフトしているというのに、Googleが求めるようなスマホサイトは一向に増えていません。対応しているサイトはごく一部です。しかもその多くは応急措置で、中長期的な視野で構築した、良質なモバイルサイトとはいえません」

結論からいえば、間に合わせのセパレートサイト(スマホ専用サイト)を用意するのではなく、ランディングページを1つにし、クロスデバイスでの利用にも利便性の高い「OneWeb」のページを用意することや、CVR(コンバージョン率)を上げ離脱率を下げるために高速な表示を実現することが求められています。

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次回はそれを踏まえて、アップデートに振り回されない安定的で中期的なモバイルサイト対応がどうあるべきかを、Google関係者の過去の発言の中から考察してみます。

この記事を書いた人
C1-5 占部雅一
株式会社ドーモ 代表取締役
雑誌の編集者を経て1995年にWeb制作会社を設立。女性コミュニティサイトの立ち上げ・運営、メディアサイトのコンテンツや広告開発に従事。近年は「マルチスクリーン対応」を意識した企業サイトのモバイル対応を推進。ユーザーベネフィットを生み出すモバイルWebの在り方を提唱している。
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Mobify(モビファイ)とは

Googleが認定しているマルチスクリーン対応のための最適化サービス。
デバイスに応じ、専用にデザインされたサイトを表示することができます。
ページの表示を高速化させる仕組みも持ち合せており、ユーザーの離脱を防ぐことが可能です。

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